パート社員が働くことで満たそうとしている欲求はさまざまです。 稼ぐために働くというパート社員は、どちらかというと時給の高さで企業を選ぶし、そもそも非課税限度額の枠内で働くという考えもありません。

また、店側がパート社員のヤル気をアップさせるためにどうしようかと悩まなくても、よく働いてくれることが多いようです。 むしろ頭を悩ませるのは、「家計の足し」や「自由に使えるお金の確保」など、補助的な収入の確保を目的に働くパート社員に関してです。
そして、これらの目的で働くパート社員が、現実的には一番多いのも事実なのです。 彼女たちが働くことで満たそうとしている欲求は、「社会的欲求(所属の欲求)」や「承認的欲求(自我の欲求)」です。

つまり、「私もこの店の一員なんだわ、社会の一員なんだわ」と実感したり、頑張っていることを認めてもらったり、自分の成長を自分で実感したいからなのです。 企業がパート社員を活用しようとする場合、この彼女たちの「社会的欲求」や「承認的欲求」をどれだけ満たすことができるかが大きなポイントとなります。
たしかに、パート社員を上手に活用している企業が際立って時給が高いかというと、そうではありません。 時給は他の企業とあまり変わらないけれど、社員がイキイキと働いているのです。

逆に、時給の高さだけが魅力という企業では、パート社員はなかなか定着しません。 募集はしやすいのですが定着率も悪いため、企業は日々募集活動をすることになります。
募集活動に追われると、どうしても社員の育成がおろそかになります。 その結果、パート社員は辞めていくという悪循環になります。

むしろ、「時給は他の店と同じくらいだけど、やっぱりこの店で働けてよかった」と、パート社員に思ってもらえるような企業にすることが、ローコスト経営になるのです。 そのためには、パート社員にまず「やりがい」を与えることが必要となります。
私が所属しているF総合研究所のF会長は、人間が働くときの心理と仕事の効率の関係をルール化して、「1対16対162の原則」と呼んでいます。 これは、他人から強制されてイヤイヤやった仕事の効率を1とすると、他人からの命令でも納得してやった仕事の効率は、イヤイヤやった時の効率の16倍になり、さらに人から命令されずに自分からすすんでやった場合の仕事の効率は、イヤイヤやった場合の効率の162倍になるというものです。
つまり、心の持ち方しだいで、仕事の効率が違うことを意味しています。

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